博士の愛した数式

原作をもう読んでるんで期待半分不安半分くらいで見に行ったんですが、予想以上によかったです。博士の寺尾さんも家政婦の深津さんもしっくりきてたし。ラストを始め、細部はいろいろと手を加えてありましたけど原作の雰囲気を壊さず、でも無理ない感じでこれはこれでよかったです。
原作では匂わす感じだった博士と義姉の関係も、結構はっきり分かるように伝えてあって、それは映画としては成功だったと思います。そのお陰であの義姉の態度とかも理解が出来るわけですし。そういう解説というか、原作の行間を表現してあるのがいいなあと思いました。
さすがに阪神戦のロケは無理だったようで(笑)ルートの試合という設定になってましたが、これはこっちの方がよかったなあと思います。数学だけじゃなく野球好きという設定もきちんと生かされてる感じがするし、ルートの試合なら熱を出すほど興奮してもおかしくないし。まあ、盛り上がり方が少年野球にしては熱かったですが(笑)博士の宝物の野球カード…多分BBMだと思うんですが、それもちゃんとベースボールマガジン社から借りてきてて、そういう小物の細やかさもいいなあと思いました。
実際に数式とかを目で見ると、やっぱり印象違いますね。ルートに数学教わりたかったなあとか思いました(笑)小説原作の映画は、やっぱりイメージと違ったりして外れが多いもんですが、これは本当によかったと思います。映画のオリジナルを作りつつ、原作から外れず。ただ、加古さんの音楽はちょっと重々しすぎないかなあ…という気はしました。加古さんの音楽もすごい好きなんですが、ちょっと内容に合わないような気も…