私の頭の中の消しゴム

夜8時過ぎからの上映だったんですが、意外と人が多くてびっくり。
予告を見たときに、絶対泣く。と思ってたんですが、全然泣きませんでした。それは、泣ける映画じゃないって訳ではなく、哀しいだけの映画ではなかったので。切なくて、愛しくて、本当にいい話でした。
アルツハイマーの話なんですが、私はもっと看病とかそういうの中心にやってくと思ってました。でも話の3分の2くらいは、主人公の二人が出会って恋をして結婚して病気が発覚するまでを丁寧にやってくれて、それもすごいよかった。結ばれるまでも時間がかかってるし、結ばれてからの幸せな日々とか、そういうのがあるからこそあの話は引き立つんだと思う。で、予告でもやってたけど部屋いっぱいのメモ。それが、病気の深刻さとどれだけ愛しているかを表してるような気がしました。結局最後、アルツハイマーにかかるヒロインのスジンは記憶が消えてしまって戻ることはないし、旦那であるチェルスはそれを受け入れた上でもう一度彼女を恋に落とすんですが、そのラストが本当になんか…何一つ事態は好転してないのに、とてもハッピーエンドなんですよ。暗くないの。きっと、この先うまく行く、と思わせてくれる最後で、印象に残りました。綺麗だった。
主演のお二人が、とても演技が上手。表情で魅せることのできる人たちだと思いました。表情が豊かで、何も喋らなくてもその雰囲気や表情、感情で何を言いたいのか、何を思ってるのかが読み取れるんですよ。それも、物語に深みを増していたと思います。